1970年 東京大学理学部数学科卒業 1973年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了 1997年 日本大学文理学部教授(現在に至る) 主な著書・訳書 『なっとくする数理ファイナンス』(講談社) 『現象から見た確率論入門』共著(講談社) 『なっとくする統計』共著(講談社) 『確率と確率過程の基礎』(経済社会の数理科学3,共立出版) 『ルベーグ積分超入門』(共立出版) 『数学で読み解く統計力学』(共立出版) 『よくわかる確率統計の基本と仕組み』(秀和システム)
1978年 早稲田大学理工学部物理学科卒業 1986年 早稲田大学理工学研究科博士課程修了 2005年 大東文化大学経営学部経営学科教授(現在に至る) 主な著書・訳書 『非線形の力学系とカオス(上, 下)』 共訳(シュプリンガー・フェアラーク東京) 『Mathematica で見る現代数学』共訳(ブレーン出版) 『非線形力学の展望(I),(II)』共訳(共立出版)
◎自然の原理をシンプルに解明しよう! 数学は自然をみることで新しい刺激を受け,物理からさまざまな概念を導入しながら発展してきた.一方で物理は,自然現象を観測し,実験するだけでなく,それを数学を用いて整理することで新しい自然の原理をみつけてきた.数学は物理の進歩を受けて発展し,それを適用することで物理も発展するというように相互に刺激し合う関係を続けてきたといえる. ニュートンが局所的な時間という概念を導入し,微分という数学により打ち立てた古典力学は,その後,質点の集まりである「系」としての運動を追究する方向で発展してきた. この本では,ニュートンの古典力学から始めて,「力学系」といわれる数学の分野と,それに関連する物理の話をする.ポアンカレ写像,ルベーグ積分,エルゴード理論と整数論など,現代数学の知恵の結集から,自然の複雑な振舞いを解き明かす論理が導かれるとともに,観測による宇宙論とはまた違った角度の,新たな世界観が開けてくることを感じるだろう.
■目次
Chap.1……ニュートンのアイディア『自然はとてもシンプル』 Chap.2……ベクトル場で考える−解けないときにも Chap.3……偏微分方程式とハミルトン力学系 Chap.4……力学系とは,その1,位相力学系 Chap.5……力学系は一筋縄ではいかない Chap.6……力学系とは,その2,可測力学系 Chap.7……エルゴード定理とエルゴード性 Chap.8……なぜ,複雑な挙動をするのか Chap.9……エルゴード理論と整数論 Chap.10……発展的話題