『化学の創られかた
―― 一粒の砂の中にも宇宙がある』
三輪礼二郎 著
目 次
はじめに
第1章 万物の根源――原子の構造
1.1 物質は何でできているか? ■万物を構成する元素への追究
1.1.1 原子の構造と大きさ
1.1.2 古代ギリシャの元素と原子
1.2 誰が原子を見たか? ■原子論を巡る激しい論争
1.2.1 原子論の復活
1.2.2 電子の発見
1.2.3 さまざまな原子モデル
1.2.4 ラザフォードの実験
Column 1 放射線について
1.2.5 ボーアの水素原子モデル
1.3 原子核は何でできているか? ■原子の核の構造
1.3.1 原子核を構成する粒子
1.3.2 原子核を保つ力
Column 2 スペクトルについて
1.3.3 さらなる素粒子、クォーク
1.4 原子の質量を求める困難 ■原子量の決定
1.4.1 原子説と原子量
1.4.2 ドルトンの原子量
Column 3 定比例の法則
1.4.3 気体反応の法則とアボガドロの法則
1.4.4 ベルセリウスの原子量
1.4.5 現在の原子量
Column 4 電気化学的二元論
化学用語Q&A
第2章 原子たちのマンション――周期律と元素
2.1 元素たちが奏でるハーモニー ■周期律の発見
2.1.1 オクターブの法則
2.1.2 周期律の発見
Column 5 周期律の原因
2.2 周期表の新しい住人 ■希ガスの発見
2.2.1 二人の科学者の出会い
2.2.2 アルゴンの発見
Column 6 元素の発見と分析機器
2.2.3 ヘリウムの発見
2.2.4 その他の新気体の発見
2.2.5 希ガスの周期表上での位置
2.3 「賢者の石」の正体は? ■錬金術師たちとリン
2.3.1 リンの発見
Column 7 錬金術について
2.3.2 リンの同素体
2.3.3 生命体とリン
2.4 地球で2番目に多い元素 ■ケイ素と半導体
2.4.1 ケイ素について
2.4.2 周期表の中のケイ素
2.4.3 半導体
2.4.4 産業の米―ケイ素
Column 8 元素の特性ランキング
2.5 炭にもダイヤモンドにも化ける! ■炭素と同素体
2.5.1 炭素原子
2.5.2 黒鉛
2.5.3 ダイヤモンド
2.5.4 フラーレンとナノチューブ
Column 9 元素はどこからきたか
化学用語Q&A
第3章 ありふれた、異常な物質――生命の源・水
3.1 水あっての、「宇宙のオアシス」 ■ありふれた水の非凡な性質
3.1.1 宇宙のオアシス
3.1.2 水惑星の誕生
3.2 なぜ、水は「異常」であるのか? ■水と生命の関係
3.2.1 水の密度
3.2.2 氷が水に浮く理由
Column 10 電子式と共有結合
3.2.3 異常に高い水の沸点
3.2.4 異常な水の比熱・潜熱
Column 11 状態変化と潜熱
3.2.5 表面張力と毛管現象
3.2.6 大きな溶解能
化学用語Q&A
第4章 煙・牛乳・ルビー、その多様性――コロイド
4.1 ルビー・インク・雲、みんなコロイド ■コロイドとは何か?
4.1.1 コロイドの概念
4.1.2 コロイド粒子の確定と種類
4.2 原子の世界でコロイドを見ると? ■コロイドの分類
4.2.1 分散コロイド
4.2.2 会合コロイド
4.2.3 分子コロイド
Column 12 ニカワとゾル・ゲル
4.3 さまざまに見られるコロイド現象 ■コロイド溶液の特性
4.3.1 誰が黒インキを発明したか
4.3.2 腎臓のはたらき
4.3.3 泥酔男の千鳥足
4.3.4 男女の産み分けは可能か?
4.3.5 晴れた空はなぜ青い?
化学用語Q&A
第5章 科学者たちの300年論争――酸と塩基
5.1 科学者たちは、かく論じる ■18世紀までの酸と塩基
5.1.1 酸と塩基の化学史
5.1.2 17世紀中頃・ボイル
Column 13 気体の化学
5.1.3 17世紀後半・ニュートン
5.1.4 18世紀中頃・ルエル
5.1.5 18世紀後半・ラボアジェ
Column 14 フロギストン説
5.2 まだまだ、論争はつづく ■19世紀以降の酸と塩基
5.2.1 19世紀初頭・デービー
5.2.2 19世紀初頭・ベルセリウス
5.2.3 19世紀中頃・リービッヒ
5.2.4 19世紀後半・アレニウス
5.2.5 20世紀前半・ブレンステッド
5.2.6 20世紀前半・ルイス
5.3 色の魔術師、フェノールフタレイン ■酸・塩基と色の関係
5.3.1 指示薬と変色範囲
5.3.2 色が見えるしくみ
5.3.3 フェノールフタレインは、なぜ赤くなる?
化学用語Q&A
第6章 エネルギーを生み出すもの――熱と電池
6.1 熱は物質か? それとも…?! ■熱と温度の概念史
6.1.1 温度の概念
6.1.2 温度計の発明
6.1.3 絶対温度
6.1.4 熱素説
6.1.5 ランフォード伯爵
6.1.6 熱の仕事当量
Column 15 電子レンジの熱
6.1.7 デュロン・プティの法則とアボガドロの法則
6.2 2000年前から電池はあった?
■バグダッド電池から燃料電池まで
6.2.1 バグダッド電池
6.2.2 18世紀までの電気
6.2.3 ガルバーニの実験
6.2.4 ボルタ電池の発明
6.2.5 いろいろな電池
Column16 電池のしくみ
化学用語Q&A
第7章 有機化学へのご招待――炭化水素と異性体
7.1 有機化学の森の歩き方
■炭化水素(メタン・エチレン・アセチレン)
7.1.1 有機化学の黎明
7.1.2 炭素原子の構造
7.1.3 メタン
7.1.4 アルカンの命名法
Column 17 ローマ暦からグレゴリオ暦へ
7.1.5 エチレン
7.1.6 アセチレン
7.2 ベンゼンがカメノコになるまで ■ベンゼンの構造
7.2.1 芳香族炭化水素
7.2.2 ケクレとクーパー
7.2.3 ケクレの夢
7.2.4 ケクレ構造の矛盾
7.2.5 解き明かされたベンゼンの構造
7.2.6 ケクレの業績
Column 18 ベンゼンの異性体
7.3 右利きの分子と左利きの分子 ■光学異性体
7.3.1 旋光性のある物質
7.3.2 ブドウ樽の中の化学
7.3.3 光学異性体
7.3.4 光学異性体の生理作用
Column 19 サリドマイド禍について
7.4 もう一つの異性体構造 ■幾何異性体
7.4.1 マレイン酸とフマル酸
7.4.2 構造異性体と幾何異性体
7.4.3 視覚物質と幾何異性体
Column 20 異性体の数はいくつ?
化学用語Q&A
第8章 油脂とセッケンの歴史――アブラの化学
8.1 油脂はどんな構造でできているか? ■エステルと油脂
8.1.1 エステル
8.1.2 エステルの分類
8.1.3 油脂(アブラ)とは何か
8.1.4 油脂の成り立ち
8.1.5 油脂の性質
8.1.6 エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)
8.2 水とも仲よく、油とも仲よし ■セッケンと洗剤
8.2.1 セッケンの歴史
8.2.2 セッケンの洗浄作用
8.2.3 植物界のセッケン
8.2.4 合成洗剤
Column 21 柔軟仕上げ剤
化学用語Q&A
第9章 巨大分子、ポリマー――高分子の化学
9.1 高分子化合物のない生活なんて…! ■高分子化学の黎明
9.1.1 衣食住と高分子化合物
9.1.2 高分子化学の黎明
9.1.3 シュタウディンガーの高分子説
9.1.4 高分子化合物とは
9.2 自動車時代を支えた物質 ■天然ゴム
9.2.1 天然ゴムのものがたり
9.2.2 天然ゴムの構造
9.3 クモの糸より細く、鋼鉄より強い?! ■ナイロンの発明
9.3.1 合成繊維への道
9.3.2 最初のプラスチック
Column 22 高分子化学発展年表
9.3.3 デュポン社とカロザース
9.3.4 最初の成功
9.3.5 ナイロンの発明
化学用語Q&A
第10章 最後に、甘い話――砂糖とジャムの化学
10.1 味な化学 ■甘味料の歴史
10.1.1 古代の甘味料
10.1.2 砂糖の歴史
10.1.3 いろいろな糖
10.1.4 合成甘味料
10.1.5 味のもつ意味
10.2 朝のリンゴは金?! ■ジャムの化学
10.2.1 ジャムの始まり
10.2.2 ジャムのできる条件
10.2.3 ペクチンの構造
10.2.4 糖や酸の働き