はじめての質的研究法 【医療・看護編】
秋田喜代美・能智正博 監修/高橋都・会田薫子 編
シリーズの監修にあたって 秋田喜代美・能智正博
はじめに 高橋都・会田薫子
第T部 はじめて学ぶ人のために――総論編――
第1章 医療・看護領域における質的研究の意義 高橋都
質的研究の隆盛/質的研究の特色:仮説の生成と検証/質的研究の意義/
質的研究を学ぶ医療関係者へのアドバイス/引用文献
●コラム 鏡を持つということ 高橋都
第2章 インフォーマントとの関係づくりと倫理的配慮 会田薫子
フィールドへの入り方/フィールドのゲートキーパー(gate keeper)との関わり/
インフォーマントから信頼を得るために/インフォーマントとの力関係・距離に関わる問題/
インフォームド・コンセント(informed consent)の取得/プライバシーについて/
守秘義務に関わる問題/フィールドからの出方/引用文献
●コラム 研究倫理委員会への申請に際して 会田薫子
第3章 科学論文としての質の向上にむけて:研究を評価するための手順の紹介 宮田裕章
はじめに/仮説や理論は現実を適切に説明したものであるか?/
第三者が研究のプロセスをたどり、検証することができるか?/
研究者や調査対象者、研究フィールドに関わる影響にどのように配慮しているか?/
評価手順の利用法について/引用文献
第U部 実例から学ぶ質的研究――実践編――
第4章 実例1:乳がん患者のセクシュアリティ 高橋都
論文紹介/なぜ質的研究なのか/セクシュアリティというテーマとの出会い/
データの収集/データの分析と執筆/投稿と査読/その後の展開/
医療者に対する質的研究の恩恵/さいごに/引用文献
●コラム インフォーマントからの質問にどう応ずるか――調査者が医療者の場合 高橋都
第5章 実例2:かかりつけ医に求められる条件 大野毎子
論文紹介/はじめに/データ収集・分析・結果の発表における苦労話・工夫点・留意したこと/
おわりに/初学者へのメッセージ・アドバイス
●コラム フルタイムで勤務する臨床家が質的研究をやるときの工夫 大野毎子
第6章 実例3:不妊女性のネガティブサポートにみる質的研究 秋月百合
論文紹介/研究プロセスにおける経験/データ収集段階/データ分析段階/
データの公表段階/全プロセスをとおして/引用文献
●コラム 「富嶽三十六景」――見方と見え方 会田薫子
第7章 実例4:がん医療における「望ましい」死 平井啓
論文紹介/なぜ質的研究?/質的研究の方法/質的研究の結果/
質的研究の考察と議論/まとめ/引用文献
●コラム スーパーバイズを依頼するとき 高橋都
第8章 実例5:質的研究と死生学:ハワイの医療施設における病院チャプレンのありかたから 古澤有峰
論文紹介/研究の背景/病院チャプレン(hospital chaplain)/
日本のスピリチュアルケアの現状/研究に取り組んだ動機/質的研究をすることの意義/
おわりに/引用文献
第9章 実例6:日本の看護師のケアの提供のあり方:患者を知るということ 武村雪絵
論文紹介/研究・公表をつうじて学んだこと/
研究領域・範囲・テーマの設定と文献レビュー/
看護師が看護師を対象にデータを収集するということ/
データ分析における概念的ジャンプ/「よそ見」の効用/グループインタビューの活用/査読者から求められたこと/
これから質的研究をはじめる方へのメッセージ/引用文献
●コラム 「常識」を疑う 会田薫子
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