昭和 26年 4月25日生まれ(岡山県) 昭和 51年 3月 大阪大学大学院理学研究科修士課程終了 昭和 53年 3月 大阪大学大学院理学研究科博士課程中退 昭和 53年 4月 北海道浦河高等学校教諭 平成 3年 3月 第22回東レ理科教育賞受賞(レモンの教材化) 平成 15年 3月 第34回東レ理科教育賞佳作(レモンの教材化U) 平成 17年 4月 北海道札幌開成高等学校教頭 趣 味 ラン栽培・囲碁・山歩き・釣・山菜取り
◎化学を学ぶことは森の中を散歩するように楽しい 物質は何からできているか? 今から2600年前の古代ギリシャで発せられた、 この根源的な問いが、化学の出発点だった。素朴な原子論から、人間たちが どのように化学を築き、発展させてきたかを、それぞれの科学者たちの論争、 エピソードも交えながら、その考え方の背景を解き明かす。 著者が高校生たちに化学への興味・関心をもってもらおうと、 長年の教師生活で書きためた副読用プリントを再構成し、科学者の紹介やコラム、 用語解説を入れるなど、大幅に手を加え、一般向けにも読みやすい本の形にまとめた。
イギリスでは、デービーやファラデーの時代から王立研究所の「金曜講演」や「クリスマス講演」が ロンドン市民や子どもを対象に開催されており、市民は科学を身近に感じることができた。 イギリスに比較して日本の科学の歴史は浅く、また、一般人が読みこなせるような科学書が少なかったためか、 科学は重要だけれど難しいもの、専門家に任せておくべきものという意識が生まれたのであろう。 加えて、先述した学校理科教育である。特に教科書。無駄を省いた教科書は、皮を剥きすぎて芯しか 残っていないリンゴのようなものでまるで面白くない。しかし、教科書はまさにそのように作られたもので しかない。理科を教える教師の側に、教科書だけに頼らない豊かな教えかたが必要なのであろう。 筆者が、この本を著したのは上の自戒に立ってのことである。
第1章 万物の根源――原子の構造 第2章 原子たちのマンション――周期律と元素 第3章 ありふれた、異常な物質――生命の源・水 第4章 煙・牛乳・ルビー、その多様性―コロイド 第5章 科学者たちの300年論争――酸と塩基 第6章 エネルギーを生み出すもの――熱と電池 第7章 有機化学へのご招待――炭化水素と異性体 第8章 油脂とセッケンの歴史――アブラの化学 第9章 巨大分子、ポリマー――高分子の化学 第10章 最後に、甘い話――砂糖とジャムの化学