新刊書

【2005年5月刊行】

化学の創られかた―― 一粒の砂の中にも宇宙がある
三輪礼二郎 著
A5判 272頁
ISBN978-4-489-00701-9 C0043


■著者紹介:三輪礼二郎(みわ れいじろう)
昭和 26年 4月25日生まれ(岡山県)
昭和 51年 3月 大阪大学大学院理学研究科修士課程終了
昭和 53年 3月 大阪大学大学院理学研究科博士課程中退
昭和 53年 4月 北海道浦河高等学校教諭
平成 3年 3月 第22回東レ理科教育賞受賞(レモンの教材化)
平成 15年 3月 第34回東レ理科教育賞佳作(レモンの教材化U)
平成 17年 4月 北海道札幌開成高等学校教頭
趣 味 ラン栽培・囲碁・山歩き・釣・山菜取り

■内容紹介
◎化学を学ぶことは森の中を散歩するように楽しい
物質は何からできているか? 今から2600年前の古代ギリシャで発せられた、
この根源的な問いが、化学の出発点だった。素朴な原子論から、人間たちが
どのように化学を築き、発展させてきたかを、それぞれの科学者たちの論争、
エピソードも交えながら、その考え方の背景を解き明かす。
著者が高校生たちに化学への興味・関心をもってもらおうと、
長年の教師生活で書きためた副読用プリントを再構成し、科学者の紹介やコラム、
用語解説を入れるなど、大幅に手を加え、一般向けにも読みやすい本の形にまとめた。
■著者「はじめに」から抜粋
イギリスでは、デービーやファラデーの時代から王立研究所の「金曜講演」や「クリスマス講演」が
ロンドン市民や子どもを対象に開催されており、市民は科学を身近に感じることができた。
イギリスに比較して日本の科学の歴史は浅く、また、一般人が読みこなせるような科学書が少なかったためか、
科学は重要だけれど難しいもの、専門家に任せておくべきものという意識が生まれたのであろう。
加えて、先述した学校理科教育である。特に教科書。無駄を省いた教科書は、皮を剥きすぎて芯しか
残っていないリンゴのようなものでまるで面白くない。しかし、教科書はまさにそのように作られたもので
しかない。理科を教える教師の側に、教科書だけに頼らない豊かな教えかたが必要なのであろう。
筆者が、この本を著したのは上の自戒に立ってのことである。

■目次

第1章 万物の根源――原子の構造
第2章 原子たちのマンション――周期律と元素
第3章 ありふれた、異常な物質――生命の源・水
第4章 煙・牛乳・ルビー、その多様性―コロイド
第5章 科学者たちの300年論争――酸と塩基
第6章 エネルギーを生み出すもの――熱と電池
第7章 有機化学へのご招待――炭化水素と異性体
第8章 油脂とセッケンの歴史――アブラの化学
第9章 巨大分子、ポリマー――高分子の化学
第10章 最後に、甘い話――砂糖とジャムの化学



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