新刊書

【2006年4月刊行】

指数・対数のはなし[新装版]――異世界数学への旅案内
森 毅 著
A5判 216頁
ISBN978-4-489-00726-2 C0040


■著者紹介:森 毅(もり つよし)
1928年 東京生まれ
1950年 東京大学理学部数学科卒業
現 在 京都大学名誉教授
主な著書 『現代の古典解析』『微積分の意味』『解析の流れ』(日本評論社),
『位相のこころ』『異説数学者列伝』(ちくま学芸文庫),
『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫),
『数学の歴史』『魔術から数学へ』(講談社学術文庫),
『数の現象学』(朝日選書)『3びきのこぶた』(童話屋)   他多数

■訳者(ステヴィン「小数」)紹介:銀林 浩(ぎんばやし こう)
1927年 東京生まれ
1953年 東京大学理学部数学科卒業
現 在 明治大学名誉教授
主な著書 『線型代数学序説 ベクトルから固有値問題へ』(現代数学社),
『どうしたら算数ができるようになるか』(編著,日本評論社),
『どうしたら数学ができるようになるか』(編著,日本評論社),
『水道方式による計算体系』(明治図書),
『子どもはどこでつまずくか』(国土社),
『数は生きている(新装版)』(共著,岩波科学の本)   他多数

■内容紹介
◎13歳から95歳まで楽しめる、数学の風景
★時は16世紀後半、宮本武蔵が生まれた翌年に、ステヴィンは『小数論』を著し、
17世紀にはいってまもなく、巌流島での決闘の2年後に、ネイピアがはじめての「対数表」を発表した。
カリキュラムでは小学校と高校に分かれている「小数」と「対数」も、歴史的に見ればとても近い。
すなわち、「小数式桁数」こそが対数であり、近代の商業資本主義がこの2つの成立を促した。
★そうした、自然法則の表現にマッチしていながら、人間の日常感覚とは異質の「指数・対数」の世界は、
微分や複素数、波動・振動などの物理現象の解析まで、近代以降の数学の広がりを知るうえでの、
理想的なモデルでもある。その広がりを<旅案内>として語ることで、数学の自由さと親しみを感じさせる好著。
★「新装版」での付録に、その時代の発明の興奮を伝える、ステヴィン「小数」(銀林 浩 訳)の紹介と
現在の著者じしんによる「新装版あとがき」、および、3本の「道草コラム」を加えた。
■「まえがき」より
数学を一般人が意識するとしたら,方程式とか,微積分とか,いろいろあろうが,ぼくとしては
「指数・対数」が重要だと考えている。世の中は指数的になっているのに,頭のほうは
1次的(直線的)になっていて,そのギャップを理解することが,とても意味があると思うからだ。
しかしながら,現在の教育カリキュラムでは,「指数・対数」というのは,主として高校の
カリキュラムになっていて,たいていの人は,そのころまでに,すっかり「数学ぎらい」になっている。
そこで考えたのは,これを〈旅〉とすることだ。
旅ならば,その途中に,見なれぬ景色やよくわからぬ事件に出あっても,気にすることもあるまい。
むしろ,それが旅の楽しみというものだ。

■目次

まえがき

乗法の感覚――商業資本主義が乗法を生んだ
数直線のイメージ――近代は小数で幕を開けた
手作り対数表――対数をおおざっぱに求めよう
指数的変化――乗法世界の加法世界への転換
指数世界の標準――国際レートのex
歴史認識は対数感覚で――対数直線を使いこなす
微分公式の裏街道――対数メガネで微分を見直す
複素数の世界――異世界から来たカンヅメ i
複素数の乗法――「自然のことば」は複素数
回転と波――sin,cosも指数公式で間にあう
振動の解析――同じ方程式なら同じ現象
指数世界への旅――数学でなにを学ぶか
シモン・ステヴィンの「小数」(銀林 浩 訳)

新装版あとがき

★「道草コラム」で紹介したデータ、および関連リンク集 (Excelファイル、DATA00726.xls) (lzhファイル、DATA00726.lzh)
★この本のポスターを作りました。書店様の販売促進用、あるいは身近な方への紹介チラシとして
 ご利用ください。  ⇒ 縦サイズ(pdfファイル、00726psT.pdf)
             横サイズ(pdfファイル、00726psY.pdf)
★著者の森毅さんに、直筆POPを書いていただきました。
 生まれ年の干支にちなんでの龍を形どったサインつきです。
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