◎小川洋子と3人の数学者が文学と数学の接点をさぐる 2006年1月、小川洋子と3人の数学者による座談会が大阪教育大学で行われた。本書はそのときの内容を元に大幅に加筆したもの。『博士の愛した数式』が出版されてから現在に至る、数学を取り巻く状況の変化をはじめ、ひたすら考え続ける数学者の研究の仕方や読める人がほとんどいない(?)数学論文、オイラー、エルデシュ、ラマヌジャン、小平邦彦など数多くの数学者の話から、なぜ数学者を主人公にした小説を書いたのか、博士のモデルは誰なのか、さらには小川文学の核心に触れる部分まで、話題は文学と数学の両面で展開する。
■目次
まえがき 岡部恒治 数学を明るく書いてくれてありがとう 小説の終わりと数学の終わり 数学語は理解できない 数学の力は偉大だ 理系と文系はあんがい似た者同士 小説のひらめきと数学のひらめき 数と言葉はやはりちがうもの ストーリーを追いかける作家、証明を追いかける数学者 “感動の表現”はこうして生まれた 80の必然性と28の偶然性 女性数学者がんばる 小説のモデルは ネクタイを締めない数学者 あとがき 小川洋子