東京大学理学部数学科卒業。理学博士。現在、四日市大学関孝和数学研究所所長。京都大学名誉教授。専門は、複素多様体論。現在は複素多様体論の応用として数理物理学の共形場理論を研究し、3次元トポロジーへの応用を試みている。また毎年1月に高校生向けの現代数学入門講座を開講してきた。主な著書:『代数幾何入門』『代数入門』『代数幾何』(それぞれ岩波書店)、『円周率πをめぐって』『数学フィールドワーク』(それぞれ日本評論社)
◎「測る」ことから見えてくる数学 私たちの祖先は、知恵と工夫によって、いろいろなものを測りました. 沖の船までの距離も、木や建物の高さ、大陸の広さ、地球の海水全体の量、地球から月までの距離さえも測ったのです.ひとえにそれらを測ることが人間の生活にとって、どうしても必要だったからです. 本書では、小学校から大学にいたるまでの算数・数学に登場した「測るはなし」をつなぎ、人間が「測る」ことにかけた情熱と工夫について,数学の立場から紹介します.
経済学に数学は必要だが,なかなか文系には難しい。 速度と微分,ルベーグ積分,ブラウン運動……。 すべてを「測る」の観点から説き起こす本書には, 一流の数学者ならではの見事な分かり易さがある。 西村和雄
■目次
CHAPTER 1 人はどのようにして測ってきたのか CHAPTER 2 多角形の面積 CHAPTER 3 曲線の長さと曲線で囲まれた図形の面積 CHAPTER 4 瞬間速度と面積 CHAPTER 5 体積 COLMN ボールのマジック 砂田利一 CHAPTER 6 測度と積分 CHAPTER 7 デタラメのなかの秩序 付録 実数の連続性と連続函数の最大最小