新刊書

【2010年2月刊行】

math stories 数学の視点
上野健爾・新井紀子監修/上野健爾 著
A5判 264頁
ISBN978-4-489-02057-5 C0341


■著者紹介: 上野健爾(うえの けんじ)
東京大学理学部数学科卒業。理学博士。現在、四日市大学関孝和数学研究所所長。京都大学名誉教授。専門は、複素多様体論。
現在は複素多様体論の応用として数理物理学の共形場理論を研究し、3次元トポロジーへの応用を試みている。また毎年1月に高校生向けの現代数学入門講座を開講してきた。
主な著書:『代数幾何入門』『代数入門』『代数幾何』(それぞれ岩波書店)、『円周率πをめぐって』『数学フィールドワーク』(それぞれ日本評論社)

■内容紹介
◎文字式や座標の本質からガロア理論へ展開
中学校で文字式や座標の考え方を最初に学ぶときに抵抗 感があるのは当然である。数学者でさえも、その必要性 を認めるのに長い時間、数学の誕生から考えれば数万年 から数千年の時間が必要だったのだから。数学の発展は 新しい視点の発見といっても過言ではない。本書では、 一つの対象がそれを見る角度によって、全く違ってみえ ることを、さまざまな観点から詳しく説明してみた。
■推薦の言葉

鶴亀算からはじめ、方程式を立てる、ベクトル空間、内積の導入をへて、
体の拡大やイデアル、3,4次方程式の解法を紹介し、ガロワ理論への
案内に及ぶ。数学の視点が具体的に語られ、天才ガロワの発想を知りたい
若者にはたまらない一冊である。

                               益川敏英

■目次

CHAPTER1 数学の考え方―― 方程式を例にして
1.1 つるかめ算から連立方程式へ
1.2 連立方程式から行列へ
1.3 幾何学的視点からみた連立方程式
CHAPTER2 数とは何か―― 古代ギリシアから19世紀実数論の完成まで
2.1 整数のもつ性質
2.2 整数の合同
2.3 分数と循環小数
2.4 新しい数の体系――可換環と有限体
2.5 実数とは何か,どう定義できるのか?
CHAPTER3 座標―― 幾何から代数へ
3.1 三平方の定理と三角比
3.2 平面座標と三角函数
3.3 幾何から代数へ―― 角の三等分と作図問題
CHAPTER4 ベクトルとベクトル空間}
4.1 幾何ベクトルから数ベクトルへ
4.2 ベクトル空間
4.3 線形写像
4.4 内積と内積空間―― 幾何ベクトルの復活
CHAPTER5 方程式を解く
5.1 多項式と方程式
5.2 複素数
5.3 代数学の基本定理と3次・4次方程式の根
5.4 アーベルが考えたこと―― 方程式を代数的に解くことの意味
5.5 ラグランジュからガロアへ―― 方程式と群

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